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ダクト用換気扇で作る、自作サイクロン式静音集塵機

更新日:5月14日


自作集塵機 サイクロン式


模型・ガレージキットの製作では、ヤスリ掛けやリューターを使用したさいに粉塵が発生します。


そのままでは粉塵が舞い散り部屋が汚れますし、何よりも人体に有害で、呼吸器系の病気になる危険性があります。


マスクして作業すれば病気のリスクは減らせますが、部屋が汚れるのは防げないので、粉塵などを吸い取る集塵機の出番です。


模型制作に使えそうな集塵機を検索してみると、ネイルアート用の卓上集塵機が販売されていて、ヤスリ掛けのさいに出る粉塵は吸い取ってくれそうですが、リューターの使用には非力。


一方、自作集塵機によくある、掃除機を使用したサイクロン式集塵機は強力ですが、掃除機を使用しているために、音が大きく作業中付けっぱなしは厳しいです。


そこで今回は、そこそこ静かでそれなりに吸引力がある、ダクト用換気扇を使用した「自作サイクロン式静音集塵機」を製作します。


 

※サイクロン式集塵機とは

 

遠心力を利用してゴミと空気を分離して、ゴミは底面に溜め、空気はフィルターを通して排気します。


フィルターを掃除する頻度が少なくなるため、大量の木屑が発生する木工DIYなどでは、定番の集塵方法です。




 

材料

 

ざっくり材料紹介


・ダクト用換気扇 三菱電機 VD-18ZC9

吸引力が必要なために風量と風圧の有る、シロッコファンを搭載したダクト用換気扇を使用。新古品をオークションで3000円購入。


・透明バケツ

遠心力で空気とゴミを分離させるサイクロン部分。中が確認しやすいよう透明バケツを使用。


・フィルター

分離出来なかった細かい塵を捕捉するフィルター。


・75㎜アルミダクト

吸引口を手元に持ってくるためのダクト。


・吸引口の漏斗

手元の作業しやすいよう口の広い漏斗を使用。




 

製作

 


換気扇の吸引口のフチにすきまテープ貼っていきます。




ベニヤ板で塞ぎネジで固定、中心に100㎜のパイプを通すための穴をあける。



バケツの蓋の中心にも100㎜の穴をあけ、ベニヤ板とネジで固定。


100㎜パイプを穴に通す。




蓋の裏側の凹凸が風の抵抗にならないよう、厚紙で蓋します。




サイクロン部分で分離出来なかった、細かい塵を捕捉するフィルターを製作します。


Amazonで売っていた、ダイソン掃除機用互換フィルターの外装を剝がし、底面に極厚フィルター貼り付け、パイプとの接続用にすきまテープを巻き付けます。




パイプの中に押し込み、取り付けます。




吸引口のダクトを取り付けるために、バケツに穴をあけて接続用のパイプを取り付け、隙間埋めと固定のためにエポパテで埋めます。




このパイプを取り付ける角度が重要で、流入した空気が引っかかり無く、スムーズに壁面に沿って回転させる必要があります。



図のようにパイプを浅い角度で取り付けたり、L字パイプを使用したりすると、空気がスムーズに流れず、遠心力が弱くなり性能が低下してしまいます。






空気と粉塵を分離させるための仕切りを製作します。


バケツの直径よりやや小さくアクリル板切り出し、裏返した灰皿に接着。





製作した仕切りをバケツの底面に置くと、遠心力によって壁面に沿って運ばれた粉塵が、最終的に重力によって壁面と仕切りの間に落下して、空気と分離させることができます。




吸引口には75㎜アルミダクトと大型の漏斗+接続用パイプを使用。


漏斗の下部を切り取って、接続用パイプの口に合うように接着します。




追加で換気扇に取っ手を取り付けて、組み上げます。


これでサイクロン式集塵機の製作が完了したので、その性能を見ていきましょう。




 

集塵機の性能

 

集塵機の静音性と吸引力の性能を見ていきます。



まずは静音性をスマホアプリで計測。


吸引口の近くで30dB前後の騒音値です。


これは囁き声くらいの騒音で、作業に集中できる静かさと言ってよいでしょう




続けて吸引力のテスト。


レジンキャストの棒をリューターで削って、どれくらい吸い込めるのかテストします。


吸引口の近くで作業すれば、ほとんどの削りカスを吸い取ってくれるのが分かります。




これはレジンキャストを削った後の集塵機内部の写真です。


ほとんどの削りカスが底面に留まり、フィルターに到達していないので、サイクロンによる空気とゴミの分離がしっかりと機能しています。



 

まとめ

 

自作サイクロン式静音集塵機のメリット・デメリットをまとめてみます。


メリット

  • 静かで付けっぱなしにできる

  • 市販の集塵機(約1000w)と比べると省電力(約30w)

  • 通常の模型製作では十分な吸引力

  • フィルター掃除の手間が省ける


デメリット

  • とにかくデカイ、縦60㎝ 横40㎝+ダクトで場所を取る

  • ポリパテをリューターで削るさいには力不足


以上で自作サイクロン式静音集塵機の紹介を終わります。


模型製作で出る粉塵対策は、部屋が汚れや病気の予防に役に立つので、皆さんも自作集塵機を導入してはどうでしょうか。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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