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CREA MODE ナリタタイシン制作記  その3 【塗装編】




前回の組み立て編からの続き。


表面処理と軸打ちが終わり、通常ならパーツの洗浄→サフ吹きと進む所ですが、ココで一旦、仮塗装を開始します。


仮塗装とは、本番の塗装前に大雑把に塗装をして、依頼者様に色のバランス等をを確認してもらう工程です。


これによって後々「色が思っていたのとは違う」と言う事が無くなり、塗装のやり直しも防げます。


塗装しながら何回も色の確認してもらうのも手間ですから、仮塗装で一気に確認してもらうのが早いと思います。




ということで、元絵やディーラーの作例を参考に調色開始。


調色し始めて色数の多さに今更気づく。


マスキングするところも多いし、これは中々大変そう…




そして、調色して大雑把に塗装したのがこちらになります。


サフも吹いて無いし、マスキングも無しで、本当に大雑把に仕上げて仮塗装は完成。


これを依頼者様にお見せして、了承を頂いたので先に進みます。




仮塗装が終わったので、塗装を落としていきます。


塗装剥しには、IPA(イソプロピルアルコール)を使用 。


ペイントリムーバーの代わりに使えて、容量あたりの値段が安く、大容量のものが販売されているのが魅力的。


ガソリンの水抜き剤がほぼ同じ成分なので、カー用品店やホームセンターでも入手でます。


IPAをタッパーに移し、パーツをしばらく浸けます。




浸け終わったパーツを超音波洗浄機に移し、しばらく超音波洗浄。




これでほとんどの塗装が落ちました。




落としきれなかった部分は、ヤスリ掛けやヤスリボールでの研磨、IPAを筆で塗って落としていきます。




塗装落としが終わったら、パーツを歯ブラシを使い洗浄。


洗剤と研磨剤を混ぜたものを使用し、隅々まで洗っていきます。


この後は、よく乾燥させてサフ吹きに。




1回目のサフは軽く吹いて、乾燥後にキズと気泡のチェック。


見つけたキズを修正して、再度サフを吹いてを繰り返し。


1つ気泡を見つけたら新しい気泡が見つかり、サフを吹けば、またキズを見つけ……


次から次へと気泡が襲ってきますが、頑張って完成させて本塗装に入ります。




まずは基本的な肌色から。


エヴォフレッシュをベースに吹いて、フレッシュ+ホワイトを混ぜたのをハイライトに、ラスキウス クリアーペールレッドで陰影をつけていきます。


写真撮るの下手で、ただの肌色に見える…




とりあえず肌色はサクッと終わらせる。




お次は髪の塗装。


C43ウッドブラウン+鉄道カラー20 ラズベリーA+ホワイトで髪のベースを調色して吹く。


影色にはクリアーブラックやクリアーブラウンを使用して、アクセントとしてクリアーピンクを吹いています。







右側の靴は、一段上の箇所が白色で奥側が青色なので、後々のマスキングのしやすさを考えて、白色の箇所を簡単にマスキング。




先に青色を塗装。




青色の塗装が完了したらマスキングして、白色を吹きます。


こうすることで、マスキングが楽になります。




左側の靴はこんな感じで。




ジーンズの塗装は質感を再現するために、少し工夫していきます。


まずはニュートラルグレーⅡをベースに塗装。




クリアーブルーを1回軽く吹いて乾燥。


乾燥したら1000~1500番のヤスリで磨いてキズを付け、再度クリアーブルーを吹く。


これの繰り返しでジーンズの生地の質感を表現していきます。




生地のダメージ部分はグレー→ホワイトの順で筆塗り。


グレーを下地にしてホワイトを塗ることで、適度に暗い色になります。







服のベースにはラスキウス ブロンドを、影色にはMSイエローが丁度良かったので使用。




マスキングをして、ブラウンFS30219で茶色を塗装します。


はみ出した部分や塗り足りない所があれば、エナメルのフラットアースで修正します。




ジャンパーの縁の白色は、ノーツフレッシュホワイトで塗装。


乾燥したら白色部分をマスキングします。




ジャンパー本体はピンクで塗装して、さらにマスキングしていきます。




紫色のラインは、水性塗料のすみれ色に純色レッド等を混色したのを吹きます。


水性塗料ならマスキングが失敗した場合でも、後から拭き取ることができるので安心。




幸いなことに、修正が必要無いくらいマスキングが上手くいき、綺麗なラインが塗れました。


残りの茶色部分を塗装して、金属部分を水性のシルバーで筆塗りして完成。




二の腕にあるワッペンはデカールで再現されています。


写真では分かりずらいのですが、貼る場所が複雑な曲面になっているので、地味に難易度が高いです。


結局、曲面に馴染ませようと何度もデカールを押さえつけたら、少し破けた…


リタッチして目立たないように修復して、クリアーを吹いてデカールの段差を埋めて、出来上がりました。




今回の塗装作業で一番面倒であろう、シャツパーツのチェック柄のマスキング作業に入ります。


マスキングのしやすさを考えて、先にチェック柄の濃い色を塗装。


あずき色+艦底色を混色したのを吹いていきます。




チェック柄のマスキングには3種類の幅のテープが必要になるため、切り出す為の工具を自作。


粘着力が強いタイプのマスキングテープを使うことで、細く切ったテープでも粘着力が十分で、マスク漏れも少なくなります。




途中経過の写真を撮り忘れた…


切ったっ貼ったで、頑張ってマスキング作業を終わらせて、下準備として水性ピンクを吹いていきます。




さらに水性サーモンピンクを吹いて、影色を水性あずき色で塗装。


ハイライト部分にはクリアーホワイトを吹いて、メリハリを付けていきます。




塗装が終わったら、マスキングをはがします。


大きくはみ出す箇所も無く出来上がり。







塗装作業もいよいよ最終段階、アイペイントに入ります。


ディーラーの作例や元絵を参考にして、オレンジ系のエナメル塗料で下書き。


ここで納得いくまで、描いたり消したりを繰り返します。




下書きが完了したら、水性塗料で瞳に簡単なグラデーションを入れます。




エアブラシで水性クリアーブルーを吹いて、グラデーションを入れます。




さらに瞳孔やハイライト、白目を描き、下書きをなぞるように輪郭を黒色で描き込んでいきます。




タミヤ ウェザリングマスターGセットを使い、頬にチークを入れ、目の回りにも化粧を施します。


一通り出来上がったら、つや消しクリアーでオーバーコートして、最後に瞳に半光沢クリアーを塗ってアイペイント完成です。




一旦組み上げて依頼者様に見せたさいに、お腹の陰影をもう少し強くして欲しいと要望を頂いたので修正します。


お腹に合わせて、肌全体の陰影を少しだけ強くして、塗装作業全て完了です。




パーツをエポキシ接着剤で接着して、組み上げて完成!


お次は完成写真に続きます。



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