模型用塗料には専用のうすめ液(溶剤)が各種販売されていますが、消耗品としてなかなかのお値段…
特に消耗が早い、ツールウォッシュなどの洗浄用シンナーは、なるべく安く抑えたいところ。
そこでリットル単位で買えばかなりコスパがいい、ホームセンター等で販売されているうすめ液は、模型用塗料に使うことが出来るか検証していきます。
目次
■ラッカーうすめ液(ラッカーシンナー)
先ずはラッカーシンナーから検証。
近所のホームセンターで、サンデーペイント ラッカーうすめ液を購入してきました。
ちなみに今回は検証用に100mlのを買ってきましたが、Mr.カラーうすめ液 110mlの倍以上の値段でした。
リットル以上でないとお買い得とはならない様です。
●塗料の希釈に使えるのか
塗料1:うすめ液2.5の割合で希釈して、プラのスプーンにエアブラシで吹いてみます。
かなり乾燥が早く、ドライブース無しでも数分で触って問題ないくらいでした。
さて、普通に塗装が出来たように見えますが…
こちらはワザと垂れるように吹き付けたパターン。
赤丸ところのプラが溶けて、梨地になっています。
ホームセンターで売っているラッカーシンナーは、金属や屋外で使われる塗料を希釈するためか、溶解力が強めになっています。
その為というか案の定というか、プラモデルの塗装に使うのは危険です。
プラが溶けるということは下地の塗装も溶かすため、模型用塗料には使えないですね。
何とか模型用塗料に使う方法は無いかと考え、乾燥の早さを生かして、Mr.カラーうすめ液と混ぜてラピッドシンナーを作れないかと実験。
ラッカーシンナーを1:Mr.カラーうすめ液を3の割合で混ぜたのを作り、金属色を塗装してみる。
写真左側が混合シンナーで塗装したもの、右側がMr.カラー ラピッドうすめ液で塗装したもの。
ラピッドうすめ液で塗装した方は粒子が綺麗に揃っていますが、混合シンナー方は粒子が不揃いになっています。
うーむ… やっぱり塗料の希釈には、各メーカーが用意した専用の溶剤を使うのが一番ですね。
●溶媒液として使えるのか
次はその溶解力を生かして、溶媒液として使えるのか検証。
まずはカチカチに固まったラッカー塗料を用意。
この状態の塗料は、Mr.カラーうすめ液で希釈しても上手く溶かすことが出来ません。
そのために、塗料を復活させる真・溶媒液が販売されていますが、ラッカーうすめ液で代用できるか試してみます。
ビンの中にMr.カラーうすめ液と、ラッカーうすめ液を少量入れて1日待ちます。
1日経ったので撹拌してみます。
塗料がダマにならず、ちゃんと溶けて復活しています。
エアブラシで塗装してみても、綺麗に吹けました。
これなら溶媒液として使えそうです。
●ツールウォッシュとして使う
本命のツールウォッシュとしての用途。
エアブラシを洗浄してみます。
うすめ液を少し入れて、筆でカップの内側を洗い、うがいをして吹くを繰り返します。
4回目で写真のように、うすめ液に色が付かなくなりました。
市販されているツールウォッシュと比べると、少し洗浄力が劣る気がするけど、そこまで気になるほどでも無いです。
●ラッカーうすめ液のまとめ
良い点
・溶媒液としては使える
・ツールウォッシュとしても使える
・リットル単位で購入すればコスパが良い
悪い点
・模型用塗料の希釈につかうのは厳しい
・模型用と比べて臭いがキツい
・少量(1L以下)だとコスパが悪い
■ペイントうすめ液(エナメルシンナー)
油性塗料に使用されている、ペイントうすめ液(エナメルシンナー)を検証。
模型用塗料のエナメルシンナーはタミヤのがお馴染みですが、同じ様に使えるのか見ていきます。
●筆塗りで使う
まずは筆塗りから。
溶剤が揮発して粘度が高くなったエナメル塗料(レッド、シルバー)を、ペイントうすめ液で希釈。
それをサーフェイサーを吹いたプラパーツに筆塗りしていきます。
塗ってみた感じは、タミヤ エナメルシンナーで希釈した場合とほぼ変わらない使用感。
しいて言えば、ペイントうすめ液ほうが僅かに乾燥が早い気がします。
●スミ入れで使う
続けてスミ入れで使えるか検証。
エナメル ブラックをペイントうすめ液でシャバシャバに薄めて、モールドに流し込みます。
問題無くモールドに流れていき、はみ出した所をペイントうすめ液で拭き取るのも大丈夫でした。
拭き取りのさいに、下地が溶けるようなことも当然無かったです。
●溶媒液として使えるのか
カチカチに固まってしまったエナメル塗料は、エナメルシンナーで希釈しても完全に溶け切らずに復活できません(ペイントうすめ液でも無理でした)
そこで通常のうすめ液の他に、強溶解力タイプがあったのでこれを溶媒液として使ってみます。
ちなみにこの強溶解力タイプは匂いがキツく、換気しながら作業しないと気分が悪くなります。
またエナメル塗料どころか、水性塗料も少し溶かすくらい溶解力が強いので取り扱い注意です。
とりあえずペイントうすめ液に、少量の強溶解力タイプを足して一晩寝かしたのがこちら。
所々ダマになって、全然溶けてないですね。
ラッカーうすめ液と違って、少量では効果がない様です。
こちらは強溶解力タイプを主にして、ペイントうすめ液を少量入れた塗料。
綺麗に溶けてダマになって無いです。
筆塗りしても問題なし。
強溶解力タイプは溶媒液として使えそうです。
ただ前述したように、匂いがキツくて水性塗料も少し溶かすエナメルシンナーなので、取り扱いに注意が必要です。
●ペイントうすめ液のまとめ
良い点
・ペイントうすめ液はタミヤエナメルシンナーと同じ様に使える
・強溶解力タイプは溶媒液として使える
・400ml以上で買うとコスパが良い
悪い点
・強溶解力タイプは臭いがキツく、水性塗料も少し溶かすので取り扱いに注意が必要
・少量だとコスパが悪い
検証は以上になります、いかがだったでしょうか。
ホームセンター等で販売されているうすめ液は、用途を選べば模型用に使えることが分かりました。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。